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ニッケのミッケ!

制服ができるまで② ~ニッケの岐阜工場編~

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今回のニッケのミッケさん

衣料繊維事業本部 販売統括部 ユニフォーム部 スクール第1課たなか田中

制服の生地販売を行っています。様々な学校へ訪問し、先生方と制服に関する情報共有をしたり、ESD教育に関する出前授業の講師や課題解決型学習の協力も。

制服はどのようにして作られるの?

学生の皆さんが着ている制服はどのようにして作られるのでしょうか?

制服は学生の皆さんにとって身近で毎日着るものですが、生産過程は普段あんまり知る機会ってないですよね。自分たちの着ている服がどこでどのようにどんな原料で作られているのか。それを知って学ぶことはESDに繋がります。

今回のニッケのミッケ!では羊の毛がどのように糸になるのかニッケの工場内の様子も大公開してお伝えしていきます。

タテ糸とヨコ糸

制服の「生地」は「糸」からできています。

経(タテ)糸と緯(ヨコ)糸を織りなすことで生地ができあがっていきます。「縦横」ではなく「経緯」と書くのですが、「経」「緯」という漢字の成り立ちは、生地がタテ糸とヨコ糸によって作られる様を表現したものです。

地球の経線・緯線にもこの字が使われますが、地球はどこから見ても東西南北が決まっていますよね。「縦横」は90度回転させると入れ替わりますが、生地を回転させても「タテ糸はタテ糸」「ヨコ糸はヨコ糸」であることに変わりありません。次回以降の記事でご紹介したいと思いますが、それだけ生地のタテヨコは重要なものなのです。

糸づくりの岐阜工場

ニッケには国内に工場が3拠点ありますが、「糸」を作っているのは岐阜県各務原市に位置するニッケの岐阜工場です。

今回は岐阜工場で行われる糸づくりについてご紹介していきます。

トップってなんだ?

オーストラリアやニュージーランドで刈り取られた羊の毛は「トップ」と呼ばれる形に加工された状態でニッケの岐阜工場へ届きます。トップという名前は形が西洋のコマ(TOP)に似ていることが由来で、刈り取られた羊の毛を洗い、クシで毛を並行に梳かしながら余計なものを取り除いて、ロープ状に巻きあげられた状態です。

ポリエステルのワタ

ニッケの制服の生地は強度を高めるためにウールとポリエステルを混ぜて作っているものが多くあります。

ポリエステルはウールのようなトップの状態ではなくワタの状態で届けられます。その後、岐阜工場にてトップの状態にしていくのです。

ポリエステルのワタ

ウールに色付け

制服でよく使われている色は何でしょうか?

紺やグレー、黒など様々な色の制服を見かけると思います。

実は染色には様々な方法があり、その一つにウールをトップの状態で染めるトップ染めという染め方があります。この染め方は色落ちがしにくく同じ色を大量に作ることができるというメリットがあり、たくさんの生徒が毎日着用する制服にはピッタリな染め方です。

染める温度が肝心

ウールとポリエステルは別々に染められます。これはウールとポリエステルで染料が定着する温度が違い、ポリエステルはウールに比べて高い温度で染められるからです。

ポリエステルはトップになる前のワタの状態のまま染められます。

これをウールのトップ染めに対してバラ染めと呼びます。

色をミックス

ウールとポリエステルを別々に染めた後、機械にかけて決められた割合に混ぜていきます。これを混毛(こんもう)と呼びます。混毛しながら複数の色をミックスすることで深みのある色や霜降りの色を出すことができるというメリットがあります。

無地に見える生地でも、よく見ると様々な色が混ざり合っている場合は、トップ染めで作られたものかもしれません。

糸づくり

糸づくりでは、専用の機械で髪の毛を梳かすのと同じような作業を何度も繰り返しながら引っ張っていくことでどんどん細く引き伸ばしていきます。こうして細くて均一な糸を作ることができるのです。

撚りをかけた糸

細長く引き伸ばされたワタは仕上げの工程を通り、巻き上げられます。さらに、精紡機という機械で撚り(より)をかけながら巻き取っていきます。「撚り」とは糸を「ねじる」ことで、糸の強度を高めたり、引き締めたりすることができます。

「腕によりをかける」や「よりを戻す」といった慣用句は、糸の撚りからきた言葉です。全国の制服の生地を作るためには膨大な量の糸が必要になりますがニッケの工場では非常に多くの精紡機があり、多くの糸を生産することが可能です。

ニッケが腕によりを掛けて送り出す、自信の糸です。

出荷に向けて

人間同士の「より」は戻ることがあっても、糸の「撚り」は戻ることがあってはいけません。糸に撚りをかけたあと、蒸すことで撚りを定着させます。その後、キズなどを機械で除去しながら特定の出荷サイズに糸を巻き付られ、出荷されていきます。

専用の機械で指定の重さに糸を巻き取っていく

まとめ

〇刈り取られた羊の毛は、クシで梳かして並行に揃えながら引っ張っていくことで細く長い糸になる

〇混毛によって霜降りや深みのある色を出すことが出来る

〇糸をねじって「撚り」をかけることで強度をUPさせることができる

次回のニッケのミッケ!では岐阜で作られた糸が愛知県一宮の工場で加工されていく様子をお届けしていきます!

お楽しみに!

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