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ミライをつくるCompass日誌

福岡市立友泉中学校が考える持続可能な教育とは?

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福岡市立友泉中学校の近くには、樋井川が流れています。同じような立地に位置することがきっかけで、2016年に善福寺川が近くを流れる都内の学校と交流が始まりました。それをきっかけに、友泉中学校では雨水の有効活用を考える環境ボランティア「あまみーず」が発足しました。今回は、「あまみーず」の活動内容を中心に、友泉中学校ならではのSDGs教育について、宇都宮校長と生徒会の生徒2名にお話を伺いました。

生徒も感動!友泉中学校ならではのSDGsの取り組みとは?

宇都宮校長:本校ならではのSDGsの取り組みといったら、「あまみーず」です。これは生徒会が主体となって行っている雨水の有効活用に取り組む環境ボランティアです。発足当時は、学校の近くを流れる樋井川の水質調査や環境美化活動を行っていましたが、そこから次第に、違った取り組みを行いたいという当時のメンバーたちの声から、雨水の有効活用への取り組みにシフトしました。現在は毎年メンバーを募って、中庭に雨水を貯水するミニダムを設置したり芝生を植えたり、雨水ビオトープを作るといった様々なボランティア活動をしてくれています。

生徒A:「あまみーず」の活動を通して、川や海の水はもともと雨水であるということを改めて実感しました。

生徒B:私は正直、入学当初は「あまみーず」の名前は知っているけど、どんな活動をしているか分かりませんでした。ですが、1年生の後半に生徒会に入ったことをきっかけに、「あまみーず」での活動にも参加するようになりました。参加してみて感じたのは、楽しみながら環境のことを考え、いろんな活動ができる、なんてすばらしい活動なんだ!と感動しました。

生徒たちに聞く、「あまみーず」参加者急増のためにやったこと

生徒B:まだ「あまみーず」の活動を知らない生徒がいるなんてもったいないな、と思い、参加者を増やすために広報活動に力を入れるようになりました。「あまみーず」の活動報告をまとめた校内掲示用の広報誌『あまみーずだより』を定期的に発行したり、お昼の放送でも「あまみーず」の活動について話したり―。

生徒A:他にも活動内容を紹介する動画を作ったりもしました。構成を考えたり、撮影やナレーション、編集など、全て自分たちで行いました。こういった地道な広報活動のおかげか、今年度の「あまみーず」参加者は昨年度に比べて大幅に増えました!

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「そうか、やってみなさい」が合言葉

宇都宮校長:近隣の笹丘小学校へ出向いて行ったイベントがあるのですが、これも実は生徒たちの発案なんです。

生徒A:笹丘小学校も僕たちと同じく、水の再利用などの理科の研究を代々行っている学校です。そこに僕たちがこれまでどんなことをやってきたかを紹介したり、逆に小学校ではどんなことをやっているのか、意見交換ができたらいいなと考え、先生に相談し、実現しました。

宇都宮校長:学校の主役は、生徒である子どもたちです。そんな子どもたちが、自ら考え、何かをしたい、やってみたいと思ったことに関しては、「そうか、やってみなさい」と言うようにしています。やりたいと言ったことは、みんなやってくれますし、そこで失敗をしたり、うまくいかなかったら、しっかり反省します。これは、主体的に行動を起こしたからこそ得られる経験です。

生徒B:こうやって、やってみたいことに挑戦しているからこそ、すごく大変なときもあるけど、終わったときの達成感がとにかくすごいんです!

宇都宮校長:私たちの想いが伝わっているようで、嬉しいですね。子どもたちだけではなく、先生方のやってみたいにも応えるようにしています。例えば、研究主任の先生から教科横断型授業をやりたいという声をもらいました。私たちの学校では、SDGs学習を総合の時間に行うのではなく、各教科に紐づけています。教科横断型にすることで、知識としての学びもSDGsへの理解も深まるんじゃないかと思い、「そうか、やってみなさい」と伝え、現在実践中です。

これからESDに取り組む教育関係者の皆さんへ

宇都宮校長:子どもたちにSGDsについて教えることはもちろんですが、学校の教育活動も持続可能でなければならないと、私は思います。子どもたちの「やってみたい」が広がり続ける以上、学びも持続していきます。「やってみたい」を広げるための取り組みをしていくためには、教育活動も常にアップデートしていく必要があるのではないでしょうか。

POINT

主体性をもってもらうための工夫

自らやりたいと思い取り組んだことは、言われてやったことよりも学びは多いはず。やりたいという声に耳を傾けることはもちろんですが、どうしたら子どもたちの好奇心を刺激し、主体的に行動してくれるかを考えることも必要です。

授業も持続可能なものであるべき

ICTの導入等、教育現場も日々変化をしています。従来通りのやり方をするのではなく、授業構築の仕方を改めて見直すことが、子どもたちの新たな学びにつながるのではないでしょうか。

今回取材させていただいた『福岡市立友泉中学校』

昭和32年開校。福岡市中央区笹丘の小高い丘の上にある市立中学校です。生徒の主体性から行った生徒会主催のレクリエーションイベント「世界一楽しい学校プロジェクト」や、保護者や地域住民と行う清掃活動「クリーンアップ友泉」など、人を大切にし、学び続けながら未来を創り出そうとする生徒の育成に努めています。

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