今回のニッケのミッケさん
衣料繊維事業本部 販売統括部 ユニフォーム部 スクール第1課たなか田中
制服の生地販売を行っています。様々な学校へ訪問し、先生方と制服に関する情報共有をしたり、ESD教育に関する出前授業の講師や課題解決型学習の協力も。
制服はどのようにして作られるの?
学生の皆さんが着ている制服はどのようにして作られるのでしょうか?
制服は学生の皆さんにとって身近で毎日着るものですが、生産過程は普段あまり知る機会ってないですよね。自分たちの着ている服がどこで誰がどのようにどんな原料で作られているのか。それを知って学ぶことはESDに繋がります。
今回のニッケのミッケ!では印南工場で織り上げた生地に加工を加えて完成するまでの工程を紹介します!
ニッケの印南(いんなみ)工場
「風合い」という言葉は聞いたことあるでしょうか。肌ざわりや着心地など触れたときに感じるものの事です。制服は毎日着用するもの。やっぱり着心地は重視したいですよね。織り上がった生地をより良い風合いにするため様々な加工を行っていきます。客先の要望に合わせて風合いをつけ織物を完成させる過程を「整理工程」といいます。
毛羽を焼く
「焼く」と聞くとびっくりするかもしれませんが、ウールは羊の毛からできているので表面に毛が不均等に伸びています。その表面の毛のみを焼くことで、毛同士が絡まって発生してしまう「ピリング(毛玉)」ができるのを防止したり、柄物であれば毛羽を焼くことによってより柄を鮮明に見せたりすることができます。
生地を洗う
洗うと言ってもただ綺麗に洗濯するのが目的ではなく、これも風合いをつけることが目的です。印南工場にはこの洗いの加工ができる機械が数種類あり、目的の風合いに合わせて使う機械を変えています。
例えば夏物の制服に使う生地はサラッとした風合いになる洗い方、冬物の生地は厚みがあり、温かみのある風合いになる洗い方など、その生地がどんな用途で使われるのかによって工程や使用する機械を変えています。
反染(たんぞめ)
岐阜工場で行うトップ染め、バラ染め、一宮事業所で行う糸染めに続いて今回ご紹介する染め方は反染(たんぞめ)という染め方です。反染(たんぞめ)とはその名の通り反物の状態で染色する方法です。
反染は大小様々なロットに対応でき、生地が織り上がっている状態で染めるので他の染め方に比べ短期間で製造できるというメリットがあります。
人は色をどのように認識しているのだろう?
人間は物に当たって反射してきた光の色をその物の色として見ています。 例えば青い服は青い光だけを反射し目に入って来るので青い服として認識しています。
黒色はすべての光を吸収し、反射しないので黒く見えます。ニッケではこのメカニズムを利用して光の反射を極限まで抑え、より「黒い黒色」に見せる加工も行っています。
蒸して仕上げる
いよいよ最後の工程に近づいてきました。最後の仕上げの工程として蒸絨工程、 つまり生地を蒸す工程を行っていきます。アイロンをかけるようなイメージです。
こちらの工程ではシワを伸ばしたり、艶をつけたりすることができ、これも狙いの風合いに応じて使用する機械の種類を変えています。
このように整理工程ではそれぞれの工程で様々な機械を組み合わせることによって目的の風合いに近付けていくのです。実際には今回ご紹介した以外にもたくさんの工程があります。
制服の生地は様々な種類がありますが、それぞれの学校のこだわりや特性に合わせて柄や色だけではなく、「風合い」に特徴を出すために実は様々な工夫が行われているのです。
最終チェック
全工程を終了した反物はいよいよ出荷に向けて最終チェックを行います。生地に不良がないか、綺麗に色が染まっているか、人の目で検査をしていきます。非常に厳しい制服の生地の品質基準を守るためには、欠かすことのできない工程です。
とても厳しい制服の品質基準
私たちが作る制服の生地は非常に厳しい品質基準を定めています。
3年間着用できる耐久性はあるか、汗や雨にぬれても色落ちせず綺麗が続くか、毛玉はできにくいかなど多岐にわたる品質検査を行ってクリアする必要があります。これは制服と一般衣料の性質の違いが大きく影響しています。
特に大きな違いとして制服は3年間ほとんど毎日着用する衣服であるという点が挙げられます。
活発な学生が3年間綺麗に着用できる制服の生地を提供するため品質には絶対の自信を持ったものだけを生産し、チェックも徹底して行います。
反物を出荷
最終チェックを終えて品質基準を満たしていると判断された反物は梱包して出荷します。
制服が届くまで
生地は制服のアパレルメーカーへと出荷します。アパレルメーカーが縫製し、制服ができ上がります。制服は全国の販売店を通じて学生の皆さんのもとへと届けられるのです。毎日の学生生活を支える制服をお届けするために、ニッケだけではなく制服業界に関わる全員が一丸となって取り組んでいます。
制服を教材にしてみませんか
今回の印南工場編で「制服ができるまで」は一旦完結です!ここまでお読み頂きありがとうございました。まだまだ詳しく制服やウールについて知りたい学生の皆さん、ESDに取り組んでいる教育関係者の皆さん、ぜひニッケが提供する探求型学習プログラム「Weardy」を体験してみませんか。
制服を題材として素材の特徴や衣服の環境問題について考える出前授業などを展開しています。身近な制服からESDを推進していきましょう!
「制服×学び」についてはWeardyマークをクリック!
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